厳冬の南アルプス・白峰三山vol1

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[鳳凰三山より望む南アルプス・白峰三山。2009年12月。]

南アルプス・白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)。
日本一高い3000mの稜線。思えば初めての単独登山は2006年秋の白峰三山だった。
そしていつからか憧れになった厳冬期の白峰三山縦走。

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[北岳より望む長大な南アルプス主稜線。2011年3月。]

去年3月、冬の北岳に登ることができた。
池山御池小屋から友人と2人でラッセルすること10時間、無風快晴の3193mの頂。
前年の敗退からの1年のことを想い、頂上では胸にこみ上げるものがあった。
そして北岳から延びる長大な稜線を見て、次はこの稜線を縦走だと誓う。

あれから1年。
この1年はいろいろあった。
情けない自分もいた。
そんな自分を変えたくもあり、単独で挑むことにした。

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[ボーコン沢ノ頭より望む北岳。2011年3月。]

出発までの数日間、大きな葛藤があった。
厳冬の山に向かう時はいつものことだが、今回のそれは特別のもがあった。
あの気持ちの重さは何なのだろうか・・・
単独ゆえだからでもあるのか。不安で仕方なかった。

山梨へ向かう道中は雪降り。
なにかを考えられずにはいられなかった・・・
この日は山梨県南アルプス市のTさん宅に前泊させていただく。
食べきれないほどの料理など、おもてなしに感謝。

しかしこの時でさえ心中は揺れ動いていた。
鳳凰三山に、はたまた友人に誘われていた八ヶ岳・権現岳に転進しようか・・・
正直迷っていた。

だが、山に入る以前のここで逃げたらだめだと思った。
そして緊張感に包まれる山旅が始まった。

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2月18日 
夜叉神峠入口→鷲住山→歩き沢橋→池山吊尾根→池山御池小屋→尾根上(城峰手前)

山旅の始まりは夜叉神峠から。
Tさんに送っていただく。早朝にもかかわらず感謝。

車が去れば、あたりには静寂。目の前には暗闇のゲート。

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林道を行けば、すぐに夜叉神トンネル。
左手の扉をあけ、トンネル内へ。

1km以上もの長いトンネル。静寂。響く水滴の落ちる音。
これからの山行の不安をより一層かき立てられた。

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トンネルを抜け、雪積もる林道を歩いて行くとやがて視界が開ける。

しかし目指す山々は雲の中。
強い寒気の影響だろう・・・

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鷲住山から野呂川へ。

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もったいなほどの急降下をこなし野呂川に下り立つ。
吊り橋を渡り、足場の悪い急斜面を登り林道へ。

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新雪をラッセルしていけば、ようやく北岳池山吊尾根の登山口、歩き沢橋。
夜叉神峠より歩くこと3時間。南アルプスはアプローチだけで一苦労だ。
しかし、それが山の静かさを守っているのだろう。良いことだ。

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静かな樹林帯。聞こえるのは風の音。
1時間ほど登り振り返ると、対岸にはさきほどまでいた林道。
自分は何をしているのか・・・

雪深くなるとやがて吊尾根に乗る。

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道は右に折れ、尾根に沿っていく。
いよいよ雪は深くなり、膝上まで潜るように。

しばらく行くと池山御池が見えてきた。

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雪深い池山御池。
時おり腰まで埋まる。

振り返れば一筋のトレース、そして青い空。

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池山御池小屋。

良い時間で、ここに泊まろうとも考えたが、雪の深さに前進することに。
避難小屋は非常に魅力的だが、翌日のラッセルを考えると・・・

ワカンを装着し、出発!

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樹林帯を前進。
雪は深くなかなか進まない。

そして尾根に向けて左手の急斜面に取り付くところで日没。

そこからは深い雪に、全く進まず・・・
急斜面だけに胸まで埋まり・・・
雪と木の枝をかき分け・・・
ルートの目印も見失い・・・

真っ暗闇の樹林帯で悪戦苦闘。

とにかく登れば良いので、目の前の斜面切り崩しひたすら一歩一歩・・
背中の重荷、激しい雪に・・・、記憶してたよりもはるかに時間がかかった。

そしてようやく尾根に乗れば見覚えのある広場に。
ちょうど夏道とぶち当たる。現在地が分かり、一安心。

テントを建て、転がり込む。初日から13時間行動とあいなってしまった・・

(参考)
2012年2月18日
夜叉神峠登山口630
鷲住山入口810
925野呂川吊橋
1015歩き沢橋(池山吊尾根登山口)1030
1400池山尾根上
1520池山御池小屋1600
1950尾根上(城峰手前)

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